父という存在が

これほど大きいものだったとは、思いもよらず。

そりゃ育ててきてもらったし。
オトンがいなきゃ自分はいなかった。
のびのびと、好きなことさせてもらったし。

何を言っても
『お前の人生なんやから、お前が後悔せんようにやれ。』と言ってくれた。

そんなオトンが先週緊急入院した。

脳に腫瘍があるらしい。
多分、肺がんからの転移みたいだ。
肺がんも分かってなかったら、まさに青天の霹靂だった。

ずっと家族第一に考えて、自営業の会社の収入が少ないときにはプライドも捨てて、バイトに出ていてくれたオトン。
ときには朝3時とか4時とかから働いて、夕方まで一日中働いてくれたオトン。

やっと還暦を迎え、オカンと2人の時間をゆっくり過ごせる、お金に余裕もでてきた今になって、大きな病気が見つかって、悔しいというか、なんとも言い得ない。
本当にピタッとくる言葉が見つからない。

先週関西出張いってるときにオカンから電話がかかってきた。
『転職したばっかりでしんどいから、りよには言うなって言われたんやけど。。。』って。

本当に何を言っているのか。
オトン、おれはオトンもオカンも大好きなんだよ。
普段、マメに実家に帰ったりは出来てないけど、あなた達が辛くなるときが年齢的にもくるから、そのために地元にいるんじゃないか。
それが少し早いタイミングなだけだよ。

ってすごい思った。

脳腫瘍の影響か、うまく言葉が出ず、めちゃくちゃ悔しそうにしている。
軽い失語症みたいな感じ。

でも思考はちゃんとしているから、毎日見舞いにくるおれに、申し訳ない顔をしてくる。
『お前はまだ若いのに』って、全然迷惑じゃないから。
てかもう三十路だから。人生全然落ち着いてないけど、おれ三十路なんだよ、そろそろ。笑

毎日来るから、ちゃんと話せるようになったら存分に感謝してくれ!

といって今日はバイバイした。

きっと良くなる。
オトンはいつだって強くて、大きくて、偉大だ。
今だってそうだよ。

仕事してれば大丈夫なんだけど、ひとりのときは不意に泣きそうになったりして、あんまり感情移入しないタイプで、感動系の映画とか見ても泣いたりしないから、最近でる涙の量で脱水なるわ!って思う。

とにかく前向きにいるしかない。
治療も人生もこれから。
きっと1番辛いのはオトンだから。
オトン、オカン、一緒にがんばろう。
おれがいるよ。